アスコット・加賀谷慎二社長に聞く
“総合デベ”へ本格始動
「時代、市況に応じた展開を」
“風通しの良い社風”大切に
アスコットは、今期(07年9月期)、来期と賃貸マンション、オフィスビル、商業施設を開発する流動化事業の比率が高まる予定だ。開発メニューを増やしたことで、時代や市況に応じた展開ができる体制を強固なものにする。マンションディベロッパーから総合デベロッパーへの道を歩み始めたアスコット加賀谷社長に、今後の方針を聞いた。
今期、来期と流動化事業の売り上げ比率が高まる予定です。 「今期の売り上げ計画160億円のうち、流動化事業で80%、分譲マンションが20%。来期(240億円)は流動化が85%、マンション15%になる予定だ」 今後は流動化事業をメーンにすると。「いや。今期と来期については、開発パターンをいくつかシュミレーションしたうち、流動化での展開の方が高い収益を確保できる物件が多かったということだ。基本的には流動化で60%、マンション40%の比率を考えている。」 “総合ディベロッパー”を目指すと。 「会社を設立した当初から考えてきたことであるし、中小規模クラスの物件を中心に今後も展開する方針なので、マンション事業だけで会社規模を拡大するのは無理だと考える。また、様々な開発メニューを持っていればその市況に応じた展開が可能となる」 マンション事業では、いわゆる東京・城東エリアを重点的に開発しています。流動化事業のエリアは? 「全国レベルの展開を考えている。これまでにも札幌、愛知、大阪、福岡、沖縄で着手済み。今後は名古屋、仙台への進出も検討中だ」 市場全般的に好調な流動化事業ですが、そろそろ厳しくなるとも予想されています。 「確かにそうだが、分譲マンションと同じで魅力ある物件を開発すれば必ず支持される。賃貸マンションなら“自分たちもずっと住み続けたい”、オフィスビルなら“自分たちもこんな空間で働きたい”、商業施設なら“自分たちも遊びに行きたい”といったことを必ず考えて開発している。スタッフを充実させ、こだわりを持ち、時間をかければ必ずできることだ」 デザイン力に定評のあるマンション開発をしています。今後もこの方針は変えないと。 「引き続きデザイン性、居住性を追求した物件を供給する。また、以前から重視していることだが、建物の本質的な部分、しっかりとした躯体や二重床、二重天井の採用、またペアガラスの標準化についても、さらに継続して力を入れていく」「数年前と比べて価格が上昇しているため、購入者層に変化が見られている。ただ、我々は当初からこれらのアッパー層を意識した物件づくりに取り組んでいるため、しっかり対応できている」 社員の平均年齢が30歳前後。“風通しに良い社風”だと聞いています。 「精力的な社員ばかりなのでいつも“ワイワイ”している(笑)。活気のある雰囲気の中、様々な意見が飛び出すのは良いことだ。開発事業はさまざまな人が携わって完成するもの。途中で隙間ができると必ず問題が発生する。境界をなくし、お互いに相手の仕事まで気を配る心構えが必要だ」「3年ほど前から、社員の様々な意見を反映させようと“もっともっとプラン”という制度を導入している。些細(ささい)なことでもよいから『もっとこうした方が良い』という声を吸い上げるものだ。集まった意見を週に1回会議で検討。これまでに集まった意見は数千件に達する。『あいさつをする時はもっとお互いに笑ったほうが良い』などちょっとした意見が多く出る。また、集まった意見がきっかけで業務の効率を改善できた事例も多数ある」 日頃から、言いたくても言えないようなことは結構ありますよね。 「カドが立つからね(笑)。ただ、ちょっとしたことでもそれが積み重なると大きなストレスになる。社員同士のストレスを極力抑えるシステム、社風の構築を図っている」 設立から8年以上経過し、業績も順調に拡大しています。次のステップは? 「開発メニューは増えるが、今後一つひとつの物件をしっかり作り込むことに変わりはない。早期の上場も視野に入れている」
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