アスコット “住む楽しみ”演出
特定ニーズを定め訴求
分譲、賃貸オフィス、商業など多岐にわたる開発を手掛けるアスコット(東京都新宿区)が、賃貸住宅でテーマにしていることは“住む楽しみ”。「分譲の場合、将来の自分も想定した上で住宅を決めるもの。一方で賃貸は、“今”の状況で決定する。それぞれの“今”に合った様々なタイプの住宅を、賃貸住宅でこそ提供すべき」と話す。
同社は東京都港区の賃貸マンション「STYIM(スタイム)」で、07年度のグットデザイン賞金賞を受賞した。「まるで寄木細工のようなユニークなデザイン」と評価された外観の意匠は、1.5層や2層構成のスキップフロアなど、個性的な間取りプランニングしたことで生まれたものだ。また、東京・代々木で開発した賃貸物件では、全戸50戸のうち29タイプの異なる間取りを用意。コの字型の中庭のある間取りなど、「賃貸だからこそできる企画」を随所に取り入れた物件に仕上げた。
更に特徴的な物件として挙げられるのが、東京都板橋区の「OZIO(オヅィオ)常盤台」(総戸数31戸)。ルーフバルコニーが取れる広さ約40㎡の4戸分について、“離れ”的な空間を設けた物件だ。
バルコニー上に、クローゼットやエアコン、窓も設けた広さ約6畳の独立した空間を用意。「食事や入浴など生活空間としての『動』のスペースと、何かそれだけに没頭できる『静』の場を完全に切り離した」(同社)という。
また、「同居している人が居る場合だと、一緒にいる時とそうでない時を区別したいニーズもあるはず」と考えた。このタイプの賃料については、周辺相場より5~10%ほど高い設定だったものの、他の住戸(25㎡前後のワンルームタイプ)より早い段階で入居者が決まっていったという。同社では、「賃貸物件は、ターゲットをある程度定めた上で開発する分譲住宅と違い、様々な層にアピールすることができると共に、それを前提とした企画も必要になる」と強調する。だからこそ、「“万人受け”ばかり考えるのではなく、想定するある特定のニーズにしっかり訴求できる作り込みも必要だ」と考えているという。
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