妻をつれてきた家。

人生が、家にリードされていく。

そろそろいい歳だから家を買おう。31歳のある日のこと。特に結婚相手もいなかったのですが、このまま家賃を払い続けるのももったいないなあ、と都心でマンションを買うことにしました。もともと実家が船橋でずっと一軒家を持つイメージがあったのですが、仕事の都合でずっと都心に住んでるうちに、郊外に住む気持ちも薄れてしまったんですね。当時、日本橋の賃貸に住んでいたのですが、周囲は分譲マンションの建設ラッシュ。マンションは土地から発想されてつくられているので、町にしっくりくるケースが多い。既製品がよいこともあるんだと、新しい発見がありましたね。そうしていくつかの物件を見てまわった中で、一目惚れしたのがこのマンションです。「この部屋を忠実に再現したい」。即決でした。モデルルームで使われていた木の壁にココロを奪われました。

そして物件を決めて半年後、縁あって、妻と出会いました。もちろん、将来の結婚や子供が産まれたことまで考えた間取りにしていたのですが、こんなに早くいい人と出会えるとは、まったく考えていませんでしたね。自分としては、家が妻をつれてきた、という不思議な感覚を抱きました。妻の両親も「家までついてて」と大喜び(笑)。それからマンションが竣工するまで、ジェットコースターのような日々です。3月の入居にあわせて、結婚式も3月に設定して、新婚旅行の準備をして。なんだか家に、人生がリードされていく感じでしたね。

PCC009:未来のために 今日の幸せをがまんすること、やめました。
PCC008:空を眺める本棚。
PCC007:室内で、ゴルフスイングができる家。
PCC006:妻をつれてきた家。
PCC005:家が、私を変えていく。
PCC004:ダークな床に、ボロボロのラグ。
PCC003:ここに「縁側」をつくろう。
PCC002:東京の、パリに住む。
PCC001:「今半」の似合う、ふたりになろう。